Poker Lesson 12


対戦相手が少ない方が、初手が有利に働く
より詳しい初手の説明に移る前に、前回のレッスンと同じくらい重要な法則を勉強しましょう。それは「初手は、たとえ二流であっても、目前にいる少数の対戦相手の価値を上げる《というものです。

これには数学的な理由があります。(ポーカーでの勝利は数学的な土台の上に成り立ちます。プロギャンブラーのダーウィン・オルティスの言葉にも次のようなものがあります。「配当率に敬意を示せ。そうすれば配当率もあなたに敬意を示すだろう。《)

もしオンラインでプレイしており、キャッシュゲームに参加する場合は、たいてい10席の「フルテーブル《か5,6席の「ショートハンドテーブル《を選択できます。(対戦相手の出入りがあるので、全ての席が埋まらなくてもかまいません。たとえば10人用のルームでプレイヤーが6,7人時には5人の場合もあります。)

しかし、テキサスホールデムにおいて、参加者の人数の違いは数学的条件を変えます。特にフロップ前には。(フロップ後の状況はたいていよく似ています。あなたを含めて2,3人のプレイヤーが残っているでしょう)

では、同スートのA-7のように典型的な「最低限の《手札について考えてみましょう。(「最低限の《手札とは、7-2やJ-5のような全く価値のない手札よりはましだが、A-Qや8-8のような良い手札には勝ち目のない手札のことです。)あなたは、全プレイヤーに2枚の手札が配られた直後、最初のベッティングラウンドで1番に行動するとします。この場合あなたはポーカー用語で「アンダー・ザ・ガン《と呼ばれます。

以前のレッスンで、テキサスホールデムには1326通りの初手があると話しました。では、同スートのA-7より良い初手は一体どれくらいあるでしょうか?(対戦相手の手札は、あなたに来たカードを使わない1225通りの組み合わせがあります。)

まず、あなたは7-7以上のペアとA-KからA-8までの手より上利になります。Aが1枚と7が1枚ないデッキ(この2枚はあなたの手元にあります)でできるあなたより有利な手札の可能性は114通りです。

安全策を取るなら、あなたの手札A-7よりわずかに有利な6-6から2-2までのペアも考慮すべきです。これらの手札を加えた、注意しなくてはならないあなたより有利な手札の組み合わせは、1225通り中144通りあります。

対戦相手が1人の場合、上記の計算から考えると、この時点で88%の確率であなたの手札A-7が勝ちます。もし対戦相手が4人の場合でも、勝てる確率は61%あります。5人の場合は54%です。フルテーブル(相手が9人)の場合、この時点であなたが勝てる可能性は32%しかありません。

以上のことを考えてみてください。すでに対戦相手が5人の場合で、相手の手札があなたより良いものである確率が5分5分。もし相手が9人なら、あなたより初手がいいプレイヤーが1人ないし2人入ると考えた方が無難でしょう。対戦相手が多いほど、あなたが負ける可能性が高いのです。これは、「サイコロを投げて大きい目の方が勝ち《という勝負をするときと同じです。あなたがまず投げて5の目を出した後、他のプレイヤーが投げる場合、複数の対戦相手がいれば誰かが6を出してあなたが負ける可能性が高くなります。

このことを覚えておいてください。
DAN GLIMNE